ピアノの発表会が近づくと、ほとんどの子どもが緊張や不安を感じます。親としてどのようにサポートすれば、子どもが自信を持って本番に臨めるのでしょうか?今回は「本人」「講師」「親」の3つの立場を経験している私が感じること、実践していることをご紹介いたします。
不安を受け止めてあげる
「失敗したらどうしよう」「間違えたら恥ずかしい」と子どもが口にすることもあるでしょう。そのとき、「大丈夫!」と励ますだけではなく、「そうだね、不安だよね」と気持ちを受け止めてあげることが大切です。不安を認めた上で、「でも、今までたくさん練習してきたから大丈夫だよ」と優しく声をかけましょう。
緊張を想定した練習で自信をつけよう!
不安の多くは「上手に弾けるかな?」という自信のなさから来ています。本番を想定した緊張の中で弾く経験をふむことで、安心感を与えることができます。
人前で弾く練習
録画してみる
本番のつもりで録画してみましょう。これは一人でもできますね!でも、意外と緊張します。また、自分の演奏を客観的に見られるので、演奏のチェックも兼ねて必ずしましょう。私こんな風に弾いてたの?!とびっくりすることもあると思いますよ!
家族の前で弾く
いつも家族の前で弾いているとは思いますが、家族は何かをしながら聞いていますよね。本番前にはちゃんと「お客さん役」として、ガン見!してもらいましょう。いつもとは違う緊張感を味わえると思います!
お友達に聞いてもらう
録画する、家族の前で弾く、の経験をふんだ後は、お友達に聞いてもらいましょう。これはなかなかのハードルですね。まずはピアノが全く弾けないお友達に。最後はピアノを習っているお友達に。
ここをクリアすれば、もうだいぶ恐怖感は無くなってくるはずです。
本番と同じ条件で練習しよう!
発表会の服装で弾いてみる
発表会本番の衣装で弾いてみましょう。それだけでも緊張感が出ます。
ただ、気を付けてほしいことは、ドレスをピアノの椅子の金具に引っ掛けて破かないように!ということ。過去に何人か、そういう生徒さんがいました^^;。
それから、本番用の靴を履いて弾くこと。これは本当に大事なことです。ペダルを使う子は必ず前々から本番用の靴を履いて練習してください。靴によってはペダルが踏みにくかったり、ペダルから足がズレてしまうことがあります。必ずやっておきましょう!
おじぎから通しで弾く
おじぎ→弾く→おじぎだけでも気が引き締まります。
おじぎのチェックもお忘れなく!おじぎは子どもが思っているよりもゆっくりするようにしましょう。
ミスを想定する
もし間違えてしまっても、どのようにリカバーするかを練習しておくと、ミスをしても焦らなくなります。
ちょっとでも間違えると弾き直す子がいますが、間違えても止まらない、弾き直さないを徹底しておいてください。
もし間違えても、「こういう曲です」と言わんばかりの顔で弾き通す!超有名曲でない限り、止まらなければ間違いに気づく人は少ないでしょう。
緊張を和らげるための習慣
緊張をコントロールするために、リラックスできる方法を取り入れましょう。
- 深呼吸をする: ゆっくりとした深呼吸は緊張を和らげるのに効果的です。
- イメージトレーニング: 「成功した自分」をイメージすると、前向きな気持ちになれます。
- 前向きな言葉をかける: 「きっと大丈夫だよ」よりも「ここまでよく頑張ったね!」と努力を認める言葉の方が安心感を与えます。
本番当日のサポート
発表会当日は、できるだけリラックスした雰囲気を作ることが大切です。
- 早めに会場に到着し、落ち着いた時間を過ごしましょう。ギリギリの到着は本来の力を出し切れない可能性があります。
- 軽く体を動かして緊張をほぐしましょう。特に、手首が固くならないように、ストレッチをしましょう。
- 「楽しんでおいで!」と送り出し、プレッシャーをかけないようにしましょう。
終わった後はしっかり褒める
発表会が終わったら、「上手に弾けたね!」だけでなく、「最後まで頑張って偉かったね」「緊張したけどよくやったね」とプロセスを認めてあげましょう。大切なのは結果よりもこれまでの努力です。もし失敗してしまって落ち込んでいたら、「お母さんはあなたがとっても上手になったと思うから、とっても満足だよ」などと声をかけてあげてください。家族が喜んでくれることで、本人はとても癒やされるものです。
まとめ
発表会前の不安は自然なことですが、親のサポート次第で子どもは前向きな気持ちになれます。子どもの気持ちを受け止め、自信を持たせる工夫をしながら、温かく見守りましょう。大切なのは発表会にエントリーして、練習を重ね、本番を乗り越えたという子どもの勇気と努力を尊重してあげることです。
発表会は本人はもちろんのこと、親も緊張の一日ですね。毎日練習を聞いていても成長は感じにくいですが、発表会ごとに子どもの成長を感じるはずです。
発表会が親子にとって良い思い出となるように、できる対策は実行してみてくださいね!
